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[C38]

誤字発見w

「はのはの発したその一言に」

[C39]

ぶふっ(笑)。
「はのは」って誰だー!?
落ち着けフェイト……いや私!
ありがとうございます!
修正いたしました。

[C163]

>なのはは、唇をフェイトの頬に接触させる。

??????この話では、フェイトさんは鼻血アートを披露しないのか?

よくよく考えると、バレンタインって「バレンタイン=女の子が男の戸いチョコを上げる日」と思い込んだ八神家女性陣(はやて除く)が嫉妬の炎をメラメラさせながら、ザフィに迫るネタが使えそうですね。

[C181]

>??さん
フェイトは調理場が汚れると判断して自重したのかもしれません(笑)。

バレンタインネタも、何故か男性陣が幸せにならないのが不思議ですね……

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決戦前の共闘

「んしょ、っと」
 少女は、自らの金髪を後ろにまとめてリボンで縛る。結び位置を確認するために軽く首を振ってみると、鏡の中の髪が、尻尾のようにぴょこぴょこと揺れた。
 いつもと違う髪形の自分は、少しだけ大人っぽく見える気がする。似た髪形のシグナムを連想するからだろうか。烈火の将の凛々しい姿に自分を重ねると少し気分が高揚するが、今はあまりそういったことを考えている余裕はない。
「フェイトちゃん、準備できたかな?」
「あ、うん、もうちょっとだよ」
 親友の声が聞こえて、少女はあわてて振り返りながら答えた。
 彼女はシンプルな白のエプロンと三角巾を身につける。手に汗がにじんでいるのを感じて、彼女は静かに呼吸をした。戦闘の前であるかのような緊張で、鼓動が高鳴っているのを自覚する。戦いという表現はそう間違ってはいない、とフェイトは思った。
 そう、これは、自分にとっての決戦である。勝ち負けという問題ではないけれど、とにかく失敗はしたくない。
 時は2月上旬。
 ある冬の休日の朝のこと。
 高町家のキッチンで、彼女――フェイト・T・ハラオウンは、胸の前で握りこぶしをつくって気を引き締めた。

 ことの発端は、一週間ほど前の学校での会話である。
「じゃあ、一緒に作ろっか?」
 なのはの発したその一言に、フェイトは条件反射のようにうなずいていた。
 菓子作りにさほど造詣の深くなかったフェイトは、チョコレートに関しても同様に手作りの経験がない。そのことに対するなのはの回答が先の発言だった。
 なのはは、その場にいたクラスメイトも誘ったのだが、追加で応じたのははやて一人。アリサとすずかは別行動らしい。
 曰く「いくらなのはの家でも、5人で一度に作ったら大変でしょ」
 もっともなその台詞に、なのはは残念そうに引き下がった。
 フェイトとしても、皆で作った方が楽しかろうとは思うのだが、場所の関係であればやむを得ない。むしろ気にかけるべきは、自身が無事にチョコを完成させられるかということだろう。
 彼女は、情報網を駆使して情報を集める。友人たちに聞きまわり、女性向けの雑誌を読みあさる。
 まずは敵を知るのが、戦術の第一歩。
 知識という一点で、彼女は入念に予習をした上で本番に臨んでいた。

 話を現在に戻そう。
 経過を少し省略し、戦況を述べる。
 現状ではフェイト・T・ハラオウンがやや優勢。だが予断を許さない状況。
 前半戦が終わって、現在はチョコレートを冷蔵庫で固めている途中である。
 ここからが山場だと言っても差し支えないのだが、しかしフェイトは既に消耗しきって、テーブルにぐったりと突っ伏していた。
「お疲れさま、フェイトちゃん」
 ねぎらいの言葉をかけるなのはに、彼女はしみじみと答える。
「……お菓子作りって、大変だね」
 金髪の少女の感想に、なのはとはやては顔を見合わせて苦笑した。
「随分気合い入れてしもうたからな、フェイトちゃんは」
 はやての言葉に、頬が熱くなる。確かに、思い返すと若干むきになりすぎていたかもしれない。
 実際にやった作業は、チョコレートを削って、溶かして、型に流す。それだけだった。
 実時間にして、約1時間。その間に、フェイトの指には3つの絆創膏が貼られ、テーブルにはチョコレートの欠片や、溶けた滴が固まったものが散乱している。
「フェイトちゃん、普段の料理は手際いいんだけどね」
「力がちょっと入ってもうたな。溶かすときにも、温度計に目が行き過ぎてたみたいやし」
「きれいに作るには、温度が大切って聞いたから……」
 親友二人のコメントに、眉を八の字にして言い訳すると、彼女らは「フェイトらしい」とそろって笑う。
 あまり嬉しくない感想を言われて、彼女は息を小さくはいて、紅茶をすすった。
 口に含んだ液体が香りとともに体中に広がって、こわばった体と神経をほぐしていく。お腹から伝わる熱が心地よい。
 カップを空にする頃には、気力も十分に回復していた。
「さ、後は仕上げだね。がんばろっ!」
 なのはの励ましにフェイトは大きく頷いて、続きを開始した。
 ココアパウダーをふりかけ、ホワイトチョコを詰めたチューブで、少しだけ飾り付けをしていく。
(お母さんの分、アルフの分、クロノの分――)
 渡す相手の顔を思い浮かべながら、一つずつ。
 最初は緊張で汗ばんでいた手も、慣れるにつれて、思いどおりに動くようになっていく。
 自然と、頬が緩んだ。
 皆がどんな顔をしてくれるのか。それを想像すると、体がふわふわと浮かぶような、暖かい気持ちになる。
「――あ」
 しかし。
 フェイトの手が、そこで止まる。
 今、自分が思い描いている、相手。
 とても、大切な人。
 ふと顔をあげると、同じようにトッピングをしている少女も、やはり視線をこちらに向ける。
「フェイトちゃん、楽しそう」「本当やね」
 二人の少女が、同調するようにフェイトに笑いかけてきた。
 高町なのは――それに、八神はやて。
 渡したいと思っている相手が、この場にいる。
 フェイトは曖昧な表情を見せてから、腕を組んだ。
 さすがに本人を前にプレゼントを準備するのは、少し興ざめな気がする。
 しかしだからと言って、このまま持ち帰って、ハラオウン家で続きをするべきだろうか。それも何だか変に気を遣っているみたいだ。それに、妙な行動をとると、目の前の敏い友人たちに不審に思われかねない。
(――書き方に困ってるんやったら、“you”とか“friend”とかでぼやかしてもええと思うよ)
 唐突に伝わる、思念通話でのアドバイス。
 おっとりとした関西弁の主は、フェイトの悩みを的確についており、フェイトは思わず声をあげそうになった。彼女の多彩な魔法の中には読心術もあるのだろうかと、時々かんぐってしまう。
 それはさておき。確かにいい案だとフェイトも判断した。そして実際にそのように書こうともした。
「うん――」
 しかし、フェイトの手は動かず、気の抜けた返事だけが唇の端から漏れる。
 はやての言うことはもっともだと思う。誰宛なのかを悟られない言葉を、堂々と書いてしまえばいい。よく分かる。
 それでもフェイトは、続きを書くことができなかった。
(――フェイトちゃん、ちょお待っててな)
「え」
 はやては、言うが早いか、わずかにかがんで携帯電話を取り出し、何やら操作をする。そのまま何食わぬ顔で彼女は自分の作業に戻った。
 夜天の主の突然の行動に首を傾げていると、着信音がキッチンに鳴り響く。
「ふぇ、ごめん、ちょっと外すね。もしもし、アリサちゃん?うん、今お菓子作ってるとこ――え?うん、分かったよ。えっと、あれはどこだったかな――」
 電話の相手に促されるように、彼女はキッチンを離れる。階段を登っていく音が聞こえて、フェイトは目をまたたかせた。
「さすがアリサちゃんやな。遠隔操作スキル、Sランクや」
「ひょっとして、はやて――」
「さ、私はちょお休憩するよ。5分位で戻ってくるから、フェイトちゃんは頑張ってな」
 彼女は左目を軽くつぶって、伸びをしながらテーブルを後にした。
 どうやったのかは分からないが、はやてとアリサが気をまわしてくれたらしい。
 あまりの手際の良さに思わず苦笑して。
 フェイトは、はやての背中にそっと手を合わせた。
 深呼吸をひとつ。
 フェイトは、チョコレートに向かって、チューブを近づける。

「Dear Nanoha」「Dear Hayate」

 たったそれだけの、短いメッセージ。
 だけど、彼女なりの想いを詰めた言葉。
 それはたった一人に対して贈るものだから。
 そして、名前は、フェイトにとってとても大切な意味を持つものだから。
 どうしても――他の言葉ではなく、彼女たちの名前そのものを、書きたかった。
 彼女は、出来上がったチョコレートをそっと箱に詰めて蓋をする。包装は自宅でゆっくりとやればいい。
 続けてアリサやすずかの分も済ませ、一息ついたところで、申し合わせたようになのはとはやてが戻ってきた。フェイトが感謝の視線を向けると、はやてはにっこりと笑ってみせる。
 そのまま何事もなく作業を進め、最後の一つからチューブを話した後、フェイトは大きくため息をついた。
「終わった――」
 その言葉に反応したなのはが、顔をあげて「お疲れさま」とこたえ――そのままくすりと笑った。
「あは、フェイトちゃん、白ひげさんになってる」
「え、どこ?ほっぺた?」
「あ、そのまま。動かないで」
 なのははフェイトの頬を指でなぞろうとして、自らの手を戻す。
 彼女の手も、チョコやココアパウダーでトッピングされていた。
 顔を洗ってくる、とフェイトが言おうとした矢先――
「ん――」
 なのはは、唇をフェイトの頬に接触させる。
 柔らかで暖かな感触。
 直後に、かすかに湿ったものになでられる感覚。
 硬直するフェイトに、なのはは無邪気に笑った。
「うん、とれたよ」
 フェイトは、目をそむけたまま、ありがとうとだけ口にする。
 声が裏返っていなかっただろうか。顔が赤くなっていないかも、正直なところ自信がない。
「……なのはちゃんて、天然でエースなんよね」
 はやてが感慨深げに意味深なことを呟く。言わんとするところはいまいち理解できなかったが、あまり健全な内容ではないことは、なんとなく察した。
 一方、なのはもはやての言葉に小首を傾げたが、視線をフェイト作のチョコレートに向けると、興味がすぐにそちらに移ったらしい。小さくとび跳ねながら目を輝かせる。
「フェイトちゃんの、可愛い!うん、すっごくいいよ!皆、絶対に喜ぶと思うなっ」
 なのはがストレートな言葉で褒め、はやても穏やかに笑ってひとつうなずく。
「そう――かな。ありがとう、なのは、はやて」
 本当に、そうであってほしいと思う。
 他人の幸福で笑顔になれるこの少女たちを――願わくば、自分も喜ばせてあげたい。
「当日が、楽しみになってきた」
 フェイトがそういうと、なのはが同意して微笑んだ。
 彼女は、どんな顔をしてくれるのだろう。心の内で親友の反応を思い浮かべながら、フェイトはなのはの明るい表情に目を細める。
 優しく香ばしい匂いが、少女たちを包むように漂っていた。






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プロフィール

鳳 珠志

Author:鳳 珠志

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INDEX

ごあいさつ
ことの葉インフォメーション
■長編
 ・魔法少女リリカルなのは -PS-
   第1話 (1) (2)
   第2話 (1) (2)
   第3話 (1) (2)
   第4話 (1) (2)
   第5話 (1) (2)
   第6話 (1) (2)
   第7話 (1) (2)
   第8話 EP
 ・白雪の舞う空
  (1) (2)

■短編
 ・桜の咲く季節
 ・少年少女の主張
  (1) (2) (3) (4)
 ・守護獣ザフィーラの日常
  (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
  (11) (12) (13) (14) (15)
  (16) (17) (18) (19) (20)
  (21) (22) (23) (24)
 ・守護獣ザフィーラの日常 Sts
  (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
  (11) (12) (13)
 ・守護獣ザフィーラの任務
  (1)
 ・打ち上げ花火
 ・あの子になりきり!
 ・リーダーへの道
 ・あだなをよばせて
 ・深夜のたたかい
 ・サンタの住む場所 - 23日 -
 ・サンタの住む場所 - 24日 -
 ・サンタの住む場所 - 25日 -
 ・芸術の新春
 ・決戦前の共闘
 ・なのラジ - ことの葉放送局 -
  (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
  (11)
 ・大人への距離
 ・雨とぬくもり
 ・感謝をあなたに
 ・琥珀色の安らぎ
 ・その手は小さくとも
 ・マーメイド宣言
 ・ある夏のひまわり
 ・ちょっと大きな一日
 ・巡る秋風
 ・平日の聖夜
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 ・夜まではまだ少し
 ・シーツ越しの気持ち
 ・二房の髪

■頂き物
 ・花かんむりとお姫様

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