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[C4]

いつも面白い小説をありがとうございます。
あの~、、ちょっとした要望なんですけど、
小説の他に、オリジナルキャラの絵を併せて載せて頂けませんか?
蒼騎士のデバイスがどんなシルエットなのか、とても気になります。
  • 2007-03-25
  • FW
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[C5]

>FWさん
こちらこそ、小説読んでいただき、ありがとうございます!
オリジナルキャラたちにも興味を持ってくださってとても嬉しいです。
デバイスや甲冑(防護服)などの設定も、「なのは」の魅力のひとつですよね。
私自身は絵が達者でないのですが(脳内を映像化する魔法が欲しいです苦笑)、キャラやデバイスなど、イラストもいずれ是非加えていければと思っています。お気長にお待ちくださいなっ。
  • 2007-03-26
  • 鳳 珠志
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なのは PS 第3話 (2)

「ヴィータ、とどめだ!」
 ザフィーラの声に呼応して、紅の甲冑が宙を舞う。はるか上空から急降下。狙いは、体長十メートルもあろうかという巨大な四つ足の魔獣。
 ガシャンというカートリッジの金属音と共に、彼女の槌、グラーフアイゼンがうなりをあげる。
 そのままぶつかろうかという勢いで魔獣に近づきながら、彼女は槌を振り降ろした。
「ぶっ潰れろぉっ!」
 雄叫びの直後、激突による衝撃が周囲を揺るがす。
 魔獣は鈍い音を立てて地面に崩れ落ちた。
「闇の書、蒐集」
 闇の書が、シャマルの声に反応してページを開き、怪しく光る。動けなくなった魔獣から出たリンカーコアは、その古き本に吸い取られた。
「シャマル、こいつが最後か」
「ええ。リンカーコアの蒐集対象は、もう周囲にはいないわ」
「なんだよ。あたしはまだまだいけるぜ」
 二人の会話に、ヴィータは槌を一振りして口をはさむ。シャマルが苦笑して、右手をゆっくりと持ち上げた。その白い指につけられたリングから、振り子が垂れ下がる。先端の石が複雑に動き出し、数秒もすると一定の軌道を描き始めた。
「そうね、ここからだとベルカの戦が一番マシかも。他はちょっと遠すぎるわ」
「難しいところだな」
 ザフィーラの呟きに、緑の甲冑のシャマルが金髪をゆらめかせて頷く。ヴィータは是も非も言わず、グラーフアイゼンを肩に担いだ。
 闇の書蒐集の対象は、人間に限らない。基本的には異世界の魔獣を相手にリンカーコアを集め、優秀な魔道士が集まる戦乱を察知したらそこに乗り込むのが今の彼女たちの蒐集スタイルだった。先日の蒼の騎士の件があるため、ベルカの戦は避けていたのだが、今回は離脱のためにシャマルがいる。集められるうちに集めておくにこしたことはないとヴィータは思った。
「現在の蒐集ページは?」
「392ページ。半分ちょっとというところね」
「うむ――もうすぐ完了ということであれば、蒼の騎士のリンカーコアで一気に完成させてしまうのも悪くないかと思ったのだが。まあいいだろう、その戦にまぎれて蒐集。奴が現れたら退却だ」
「あいよ。なんだか追いはぎみたいだけどな」
「そう言わないで、ヴィータちゃん」
「分かってんよ。相手から魔力をぶんどってるんだ、魔獣だろうが人間だろうが、あんまり変わんねーよな」
 鉄槌の騎士は腰に手を当ててため息をつく。彼女は邪魔だと判断したものには容赦がないが、強いものと戦いたいという格闘家としての欲求があるわけでも、まして相手を蹂躙することに悦びを感じるわけでもない。また、同じ年頃の子供のように無邪気に力を振るうには、戦闘を経験しすぎていた。
「それでも、あいつが望んでる。なら、叶えてやるのが騎士の務めってやつだ」
「そうだな。行こう」
 ヴォルケンリッターは互いに頷きあい、仮面を装着してその場から転移する。ものの数秒で戦場の上空に移った。
「あいつらでいいんだな?じゃ、もうひと暴れ――」
「待って」
 シャマルの制止の声の意味を、ヴィータは振り返って悟る。戦場の中から、こちらに向かう甲冑が見えた。
「向こうも、こちらを覚えているようだな」
「忘れっぽい人なら良かったんだけど、ね」
「んなわけあるかよ。シャマルじゃねーんだから」
 ううっ、と仮面の下で涙ぐむシャマルを無視して、ヴィータは愛用の槌を振り回した。
「お前らは蒐集しててくれよ。こいつの相手はあたしがする」
「いや、離脱した方が良いだろう」
「やだね。ここで尻尾を巻いて、なめられるのはごめんだ。それに、この前の礼をしないと気が済まねー」
 そのやり取りに、シャマルがくすりと笑う。ザフィーラは軽く息を吐いたが、それ以上の反論はしなかった。
「二分で終わらせるから、それまで持ちこたえろ。無茶だけはするなよ」
「おう。さっさと行ってこい」
 黒と緑の甲冑が、戦場に降り立とうと高度を下げる。それを追いかけようとした蒼の甲冑に、二つの鉄球が飛来した。
 甲冑と同じ蒼の柄を持つ双剣がきらめき、騎士は向かい来る鉄球に切りつける。
 数瞬の抵抗の後、鉄球は二個とも両断され、空中に四散した。
「やろう……」
 ヴィータはうめきながら、指先に鉄球を召還する。第二射を放つ前に、蒼の騎士は一気に鉄槌の騎士に肉薄した。
 左手の剣をかわし、右手の剣をはじく。返しの一閃にハンマーを合わせると、激しい金属音がした。
「ちっ」
 紅の甲冑を反転させて、逆側からの打ち込み。弧を描くハンマーを、蒼の騎士は後ろに下がってかわす。ヴィータはその瞬間を狙って鉄球を召還し、遠心力を使って打ち放つ。双剣でそれをはじく合間に三射、四射と続けざまに繰り出してじりじりと距離を空ける。第五射を放った直後、彼女は自らの鉄槌に向かって語りかけた。
「行くぞ、グラーフアイゼン!」
『Ja――Raketenform』
 弾薬の音がして、彼女の槌が変形する。対象に叩きつける部分がスパイクに変化し、その逆側からは橙色の光が漏れる。その輝きの流れは濁流から激流に変化し、自らが踊るように加速度をつけ始めた。グラーフアイゼンに合わせ、ヴィータは体を独楽のように回転させる。十分に加速したところで、蒼の騎士に向かって飛び出した。
『drei』
 槌を振りかぶろうとする瞬間に見えたのは、あの時と同じ三又の矛。供給されるカートリッジの魔力。鉄球の連打を弾いた後のわずかな隙に相手は迎撃体制を整えていた。
「穿て」
 ヴィータはとっさに、振りかぶった槌を何もない空間で振り下ろす。
 蒼の騎士に突進していた彼女の体は、グラーフアイゼンに引っ張られるように軌道を変え、急降下した。その頭上を蒼の閃光が通過する。
 さらに体をひねって、急上昇。円を描くように騎士の頭上に回りこみ、スパイク状の鉄槌を構えた。
 騎士はヴィータに向かって双剣をかざす。間を遮るように、瞬時に魔方陣が展開されたが、鉄槌の騎士はそれを意に介せず、自分の武器を叩きつける。
「ラケーテン・ハンマー!!」
 彼女の雄叫びと共に、激しい魔力の火花が散る。
 均衡した槌と盾。ヴィータはそれを打ち破るべく、さらに力を込めた。
「ぶち抜けぇ!」
『Jawohl』
 魔方陣にひびが入り、グラーフアイゼンが食い込む。
 相手が障壁を張ろうと、それごと押しつぶすのが、彼女の技だ。
 そしてその破壊力と実績ゆえ、彼女はこの時も、数秒後の結果を自分の勝利と信じていた。
『Anfang』
 蒼の甲冑から響く、もう一つの声。
 同時に放射される、強大な魔力。
 今にも割れようとしていた障壁が、その傷を修復しながらヴィータを押し返そうとした。
「――な、にっ」
 打ち破れない。
 驚きながらも、本能でそれを判断した彼女は、自らの槌からなおも噴射される魔力を使って、蒼の騎士から距離をとった。
 グラーフアイゼンが、息継ぎをするかのように蒸気を噴出する。弾薬がバラバラと零れ落ちた。
(何だよ――あれ)
 思考のまとまらないヴィータに落ち着つかせる暇を与える間を与えず、騎士は武器を構える。
 その無造作な仕草になぜか悪寒を覚えた彼女は、矛に合わせて体をひねる。
 出来た空間を、先程と同じ蒼の光が突き抜けた。
「っ!?」
 至近距離を通過した魔力による衝撃が、仮面ごしに彼女の頬を震わせる。
 第二撃の構えを取っている騎士にヴィータは距離をとり、空中を旋回した。彼女の周囲を、魔力の奔流が次々と焦がしていく。
 目の前の光景に、彼女は冷や汗が全身から吹き出るのを感じた。
 彼女たちの武器は、カートリッジを使用することで、一時的に爆発的な魔力を得る。しかしそれは、持ち主にも、武器自身にも負担をかける諸刃の剣でもある。そのため、カートリッジを消費した技は、自然と所有者の必殺技となる。つまり、武器と所有者がよほど頑丈でない限り、普通は二度も三度も放ったりはしない。
 にもかかわらず、ヴィータと相対する蒼の騎士は、その必殺技を牽制代わりに連打している。しかも、先程まで使っていたはずの弾薬もなしに、だ。
「くっ、カートリッジロードっ!」
 弾薬を消費し、ばらまいた鉄球を四つ同時に打ち放つ。それは赤の光を伴いながら、蒼の騎士に着弾し、激しい炎を噴き上げた。
 彼女はさらに球をよび出しながら、炎上した人影をにらむ。
 数秒後、赤の光の中から、蒼の甲冑が飛び出し、ためらうことなくヴィータに向かって近づいてきた。
『zwei』
 三又の矛が分割し、双剣となる。鉄槌の騎士は動きをとめ、迎撃するべく槌を構えなおした。
 響く、カートリッジの音。
 それはグラーフアイゼンのものではなく、蒼の双剣のうなり。
「――分かて」
 ヴィータの視界を、巨大な十字が埋め尽くす。
 反射的に展開した障壁を砕き、彼女を裂こうと牙を向く。
「パンツァーシルト!」
 ヴィータの背後から飛び出したザフィーラの叫びと共に、白の魔方陣が展開され、彼女を守る。双剣の刃は紅の甲冑を破ることなく、ひび割れた魔方陣に食い込んだまま止まる。
 直後に足元から鎖が伸び、蒼の騎士の体を拘束した。
「離脱だ、ヴィータ!」
 ザフィーラは蒼の騎士に相対したまま振り返らずに叫ぶ。ヴィータの足元に緑の魔方陣が展開され、彼女の視界が白く染まる。
 光が収まった時には、アルベンハイムの客室に戻ってきていた。
 打ち鳴らされる鋼の音も、爆発の衝撃もない、穏やかな空気。
 緊張していた気持ちが一気に弛緩し、安堵のため息が漏れる。
 そしてすぐに、蒼の騎士に歯が立たなかった事実が、ヴィータに重くのしかかった。
「……くそぉっ!」
 紅の甲冑もそのままに彼女は拳を地面に叩きつけてうずくまる。シャマルは、ヴィータの肩をそっと抱いて話しかけた。
「仕方ないわ、ヴィータちゃん。あの人は、あまりにもおかしかった」
「ああ。魔力量が我々を完全に上回っている。二対一でどうにか互角、というところだろうな」
 獣姿になったザフィーラが、冷静に分析する。二人の慰めに、ヴィータは反応しない。
 悔しさに、彼女は全身を震わせた。
 蒼の騎士をしとめるどころか、シグナムの代わりに一撃報いることすらできなかった。
 守護騎士がこの体たらくで、一体主の何を守れるというのか。
 ショックは尾を引き、着替えて、シャマルの淹れた紅茶を飲んでも、気分は晴れなかった。いつもなら苦いだの薄いだの何かしら文句を言うところだが、口を開く気にもならない。
(シャマル、いるか!?主クラウスが倒れた。すぐに戻るから、主の部屋にいてくれ!)
 唐突に響いたシグナムの念話に、疲れていた心臓がドクンとはねる。
 悪いことは重なるものだ、と、自分の中の誰かが突き放したように呟いた。


次回予告

 主の不調や蒼騎士との戦いの敗北と、我々にとっては望ましくない出来事が続く一方で、闇の書の蒐集は後半に入る。
 闇の書とのコンタクト。断片的に語られる過去。主は何を思い、望むのか。
 魔法少女なのはPS 第4話 はちみつ色の思い出
 是非、読んでいただきたい。


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Author:鳳 珠志

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ごあいさつ
ことの葉インフォメーション
■長編
 ・魔法少女リリカルなのは -PS-
   第1話 (1) (2)
   第2話 (1) (2)
   第3話 (1) (2)
   第4話 (1) (2)
   第5話 (1) (2)
   第6話 (1) (2)
   第7話 (1) (2)
   第8話 EP
 ・白雪の舞う空
  (1) (2)

■短編
 ・桜の咲く季節
 ・少年少女の主張
  (1) (2) (3) (4)
 ・守護獣ザフィーラの日常
  (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
  (11) (12) (13) (14) (15)
  (16) (17) (18) (19) (20)
  (21) (22) (23) (24)
 ・守護獣ザフィーラの日常 Sts
  (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10)
  (11) (12) (13)
 ・守護獣ザフィーラの任務
  (1)
 ・打ち上げ花火
 ・あの子になりきり!
 ・リーダーへの道
 ・あだなをよばせて
 ・深夜のたたかい
 ・サンタの住む場所 - 23日 -
 ・サンタの住む場所 - 24日 -
 ・サンタの住む場所 - 25日 -
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